読書会第一回の報告
4月17日(土)、読書会「若山牧水を読む」第一回をやりました。
出席者は、3名(Wさん、Tさん、Kさん)。
まずテキストと資料計7点を渡し説明。大正7年11月の上州から信州への旅を読むことにしました。この旅は、牧水が旅を思い立ち、計画を立て、その計画を変更し、また肝心の旅費をどう工面したかがよく分かる作品です。そして何よりも、牧水の紀行文のなかで、ぼくが最も好きな作品なのです。ひとつの旅が五編の紀行文に書き分けられているので、それを一気に読むことにしました。加えて、この旅の途中で書いた書簡、短歌にも目を通し、旅を立体的に捉えることにしました。
つぎに牧水のキーワードである“あくがれ”について説明しました。
啄木はあこがれ、牧水はあくがれ・・・、牧水が啄木の歌集「悲しき玩具」の出版に努めたこと、臨終に立ち会ったことなどもお話ししました。
初夏の曇りの底に桜咲き居りおとろへはてて君死ににけり 牧水
この13日は石川啄木の祥月命日でありました。
歌は、詞書(前文)が添えられる場合が多いように、背景や歌人のその時の生活状況などが分かるといっそう深く読めるので、代表作についてはそれらを探りながら読んでいくことにしました。
説明しておきたいことがたくさんあって、本題の紀行文を読み始めるまえに時間を食ってしまったけれど、まあ、最初なので仕方がないかと思いつつ、もう一つ前口上。
それは旅支度、服装、履き物についてです。牧水は草鞋(!)で旅をすることをこよなく愛しました。このことについてはいずれ牧水の随筆を参考資料にとりあげるつもり。
たくさん取りそろえて携行したに違いない陸軍参謀本部の地図(五万分の一と二十万分の一)については、国土地理院が復刻版を出しているので、大正5年の地図をお見せしました。
この時点で終了予定時刻の16時に迫っていたけれど、少しでも本題の紀行文を読んで終わりたかったので、延長して7ページほど読みました。ぼくが朗読し、古い言葉遣いや表現について逐一解釈を加えながら進めました。朗読は下手くそだけど、ぼくの解釈は面白かったんじゃないだろうか、と勝手に自己陶酔的判断。次回もこの形で進めます。
16時30分、終了。珈琲を飲んで17時半ごろ解散。
次回は5月の第三土曜日を予定していたけれど不都合な方がおり、特に第三土曜日でなければならない理由はないので、みなさんのスケジュールを調整し、5日ある土曜日のいずれかに決めることにしました。
決定次第、このブログでもお知らせします。
また、次回から参加されてもまったく出遅れではありませんので、ぜひぜひ、ふるって参加してください。
参加申込みと問い合わせは、メールでお願いします。
旅人のからだもいつか海となり五月の雨が降るよ港に 牧水
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コメント
順調にはじまったようで何よりです。
ぼくも参加したいと思っているのですが、B1だからなあ。
ずっと続けられんことを!
投稿: なななかば | 2010年4月19日 (月) 18時04分
○なななかばさん
コメントありがとうございます。
B1でなくて2Fなんです。古い建物なので階段が狭くて急で・・・、博識のなななかばさんに参加していただけるとうれしいんですけどねえ。
投稿: 渡辺寿 | 2010年4月19日 (月) 23時51分