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2006年4月30日 (日)

上映2週目に突入!

 JR大森駅のすぐそばに、通称地獄谷と呼ばれる飲み屋街がある。
 その端っこに、酒処いっこうはある。酒の種類の豊富さは一流のバアに引けを取らない。研究熱心なママ(綾ちゃん)の手料理の旨さは一流の料理屋に勝るとも劣らない。
 山王に住んでいたころ、ぼくは午前0時まで自宅で脚本を書き、それからいっこうへ飲みに行く生活を続けた。町田に引っ越した現在でも月に2、3度は大森へ足が向く。ドアを開けるときは、今夜は終電車で帰るぞと誓うのだが、入るともうどうでもよくなり、結局始発電車で帰る羽目になる。

 かつて『Breath Less』が小津安二郎記念蓼科高原映画祭で上映されたとき、いっこうのママと常連客10数名がツアーを組んでわざわざ茅野まで観に来てくれた。
 その夜は楽しかった。蓼科高原映画祭恒例の監督居酒屋が終了しても飲み足りない連中が、彼らの宿に押し寄せたのだ。明け方まで、どれくらいの酒を飲んだだろう。何人の人と言葉を交わしただろう。楽しかった。

 今回『Breath Less』が劇場公開されることになって驚いた。
 朝方まで飲む連中が早起きをして、初日の整理券に並び、しっかり人数分の席を確保したのだ。うれしかった。そして深く感謝した。ポレポレのロビーにはいまも彼らが贈ってくれた花が飾ってある。

 28日、上映が終わったとき、館内に拍手がおこった。
 1人か2人だけどね。うれしかった。
 電車に間に合わないと帰りを急ぐ女性が「ブログ読んでますよ」と声をかけてくださった。うれしかった。あとで分室のコメントから、るみさんと分かった。
 ロビーに出ると、涙をこらえながら出て行く青年の姿があった。うれしかった。声をかけようか、いや、よしたほうがよいだろうと思った。
 そして、今夜はいっこうで飲んだくれたいと思った。
 いっこうは満席だった。しかし常連たちは奥のテーブルを囲んでいた。
 人は、人によって癒される。誰もが癒される側と癒す側を行き来しながら生きている。
 だからきっと、いや絶対、無駄な人生なんかひとつたりともないのだ。
「ナベちゃんに、あんな会話のセンスがあるなんていまでも信じられない」と不埒なことを言う男ですら、ぼくを癒してくれる。旨い酒を飲んだ。
 閉店後みんなで焼き肉屋へ流れ、ビリヤードをしながら始発電車を待った。

 翌29日、始発までつきあってくれたひとりが友人を連れてポレポレに来てくれた。
 今日が28回目の結婚記念日だという幼友達も来てくれた。
 20年来の親しい友は6人も引き連れてやってきた。
 尊敬する録音技師さんも観てくださった。
 映画の中でごきげんなブルースを聞かせてくれているThe Hundredsのファンの女性も来てくれた。
 蓼科映画祭でも褒めてくれて映画好きは、「『Breath Less』は怖い映画だと分かった」とあらためて褒めなおしてくれた(分室にトラックバックがあります)。
 こうやって、ぼくは多くの人に支えられている。
 みんな、みんな、ありがとう。
『Breath Less』の上映は2週目に入りました!

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